古文読解のコツを掴む3つの勉強!ストーカーと純愛のギャップを埋めろ

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古文単語も文法もマスターしたのに、なぜか古文読解でつまずく。
なんとなく読めてる気はするのに、解説を見たら全然違う話でビックリする。
そんなふうに、古文読解で悩む高校生は多いことでしょう。
「ちゃんと勉強してきたはずなのに、古文読解だけ異常にできない」というのは、「自分の常識で古文を読んでいる」というの大きな原因かもしれません。
古文読解では、「現代の常識から離れて読む」ことがカギを握るのです。
というわけで今回は、「古文読解のコツを掴むための3つの勉強」についてお話していきます。
要点は以下の通り。
- 古文常識を知る
- マンガで古文のストーリーを掴む
- 主語を補う練習をする
それでは本題へ移ります。
Contents
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古文読解が難しい原因
古文は現代の常識で読んでいてはダメ!
同じ日本語なのに、古文が異常に読みづらく感じる。
その原因は、「現代と常識が大きく異なる」ことにあります。
たとえば平安時代の貴族界隈では、男性は結婚するまで、女性の顔を見ることができませんでした。
だから「美しい」、「教養がある」などの噂をたよりにして、気になる女性に手紙を送るなどして愛を深めていく。
そして女性から結婚の意志が確認できたら、男性が女性の部屋に夜間に忍びこみ、それが3日間続いて結婚成立となります。
そんなわけで平安時代には、男性が気になる女性の家に行って、部屋のすき間から女性の姿をのぞき見る「垣間見」という行為が一般的に行われていたのです。
現代では「ストーカー」でも、平安時代では「純愛」
現代だと完全にストーカー行為ですが、当時の恋愛事情としては当たり前なことだったんですね。
ここで「垣間見」という言葉のニュアンスを履き違えると、大変なことになります。
現代と同じ感覚で、「垣間見=ストーカー行為」と勘違いしてしまうと、
- 「垣間見ってことは、ストーカーしてるんじゃない?」
- 「だったらこの垣間見してる男性って、女性から嫌われてるんじゃない?」
などと、余計な先入観を持って読解してしまいます。
その結果、自分の想像とまったく違う展開でストーリーが進む。
そして「何が起こってるのか分からない」という状況になってしまうんです。
ですから古文を読解するには、
- 古文に書かれている時代の常識と、
- 現代の常識
とのギャップを埋めてやる必要があるんですね。
このギャップを埋めるために、
- 古文常識を知る
- マンガで古文のストーリーを掴む
- 主語を補う練習をする
の3つの勉強をしていきましょう。
古文読解のコツを掴むために①:古文常識を知る
古文ならではの言い回しをマスターしよう!
「垣間見」などの古文ならではの言い回しを、受験古典において「古文常識」といいます。
こういった古文常識は「文字からなんとなく推理する」と、上述したように100%痛い目に遭います。
ですから入試でよく出てくる古文常識は、
- どういう意味で使われているのか
- どういう時代背景があったのか
など、一通り理解しておかなければなりません。
古文常識のおすすめ参考書は『マドンナ古文常識217』です。
入試頻出の古文常識を、時代背景とともにていねいに解説してくれる一冊。
古文常識ごとに挿絵も用意されており、ちょっとした絵本感覚で読み進めることができます。
単語や助動詞などと違って、気合いを入れなくてもスッと頭に入ってくるでしょう。
これ一冊が頭に入れば、それだけで古文の読解力が上がります。間違いなく。
古文読解のコツを掴むために②:マンガで古文のストーリーを掴む
文化レベルの古文常識も把握しよう!
上述した「垣間見」などの古文常識は、いわば「単語レベルの古文常識」です。
それに対して、
- 男性は結婚するまで女性の顔を見れない
- 気になる女性をのぞき見る
- 気になる女性に手紙を送る
- 歌を交わし合って愛を深める
- 3日間、夜間に女性の家に忍び込んで結婚
など、ひとつの単語では言い表せない、その時代独特の「文化レベルの古文常識」もあります。
「単語レベルの古文常識」が入ったら、「文化レベルの古文常識」も入れておきましょう。
文化レベルの古文常識は、マンガなどのストーリーの中で理解していくのが手っ取り早いです。
おすすめのマンガは『源氏でわかる古典常識』。
源氏物語のストーリーを、一冊のマンガにまとめた参考書です。
「源氏物語」は大学入試に頻出で、多くの古典文献に影響を与えた物語です。
源氏物語のストーリーや時代背景を知っておくことで、他の古文に対する理解度も大きくアップします。
また、古文のマンガといえば『あさきゆめみし』も有名どころでしょう。
こちらも源氏物語をマンガ化したもの。
古典時代の勉強としてでなく、マンガ作品としても非常に名高いシリーズです。
ただしこちらは「文庫版で全7巻(マンガ単行本で14冊程度の量)」となっているので、一通り読み通すだけでも時間がかかります。
その分、ひとつひとつの話・情景が詳しく描写されているため、当時の時代背景をより深く理解できるでしょう。
古文読解のコツを掴むために③:主語を補う練習をする
主語の補足ができるようになったら格段に読解しやすくなります!
最後にもう一つ。
現代と大きく異なる常識(というか文化)の一つとして、「文章中の主語を省きまくる」というものがあります。
主語が欠落しまくっているせいで、
- 「何をしているか」は分かるけれど
- 「誰がしているか」がサッパリ分からない
となるのは珍しくありません。
古文読解は「人間関係」の把握が命。
- 単語が分かっても、
- 文法が分かっても、
- 古文常識が分かっても、
「誰」が分からなければ、何が起こっているのか読解することはできないのです。
古文読解力を底上げするためにも、「主語を補う練習」をしていきましょう。
よくあるテクニックとして、
- 「~て」の前後の主語は同じ
- 「~ば」、「~と」、「~に」の後は主語が変わる
といったものが挙げられます。
もちろん例外もありますし、これがすべてでもありません。
主語の判断は『富井の古文読解をはじめからていねいに』や、『マドンナ古文 パワーアップ版』といった講義系参考書で学ぶことができます。
そして問題演習の中で、「主語を補うこと」を常に意識して練習していきましょう。
関連記事:古文長文の読解力を上げる勉強法
最後に
最後に今回の要点をまとめておきます!
- 古文常識を知る
- マンガで古文のストーリーを掴む
- 主語を補う練習をする
- 古文時代と現代との常識が大きく異なる
- 余計な先入観のせいで、物語についていけなくなる
- 常識のギャップを埋めてやる必要がある