数学の応用力をつける勉強法!どんなに分からなくても15分は手を動かすべし

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受験数学の勉強といえば「チャート式などの網羅系参考書をする」というのが鉄板です。
ところがチャート式だけでは、いわゆる「応用力」が身につきません。
数学の応用力をつけるためには、今までとは異なる勉強法を取り入れる必要があるんです。
このページでは、「基礎はバッチリなんだけど、応用問題になると歯が立たない…!」と悩む高校生に向けて、「数学の応用力をつけるための勉強法」を具体的に解説していきます。
キーワードは
「思考力」よりも「試行力」。
それではさっそく本題へ移ります。
Contents
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数学の応用力は「思考力<試行力」で決まる
「どれだけ考えられるか」よりも、「どれだけ試せるか」だ!
多分、この文章を読んでいるキミは、「数学の応用力をつけるには、『思考力』を鍛えなきゃならない!」と考えていることでしょう。
それも大きく間違っているわけではありません。
たしかに難しい応用問題を解くためには、頭をこねくり回す必要もありますし、圧倒的なひらめきが必要な場合もあります。
しかし受験数学に関していえば、『思考力』よりも圧倒的に大切な力があります。
それが『試行力』。
数学の試行力とは?
そもそも受験における「数学が得意」という言葉について、認識を少し変えてみましょう。
このブログの他の記事から、一部を抜粋してきました。
まず数学が得意な人は、問題を見ただけで解答がひらめいているワケではありません。
実は数学が得意な人も、問題を読んだ時点で「どういう風に解くのか」という道筋は見えていないんです。
だからひとまず問題文の条件を、頭の中にある例題パターンに当てはめて、とりあえずできることを色々とやってみます。
- 「接線」という言葉があったら、とりあえず微分して、接線の方程式を出そうとしたり。
- 「最大値」という言葉があったら、とりあえずグラフを書いてみたり。
- 「垂直」という言葉があったら、傾き×傾き=-1という式を立ててみたり。
みたいな感じ。
いろいろ式を立てていくうちに、できることがなくなってしまいます。
で、もう一度問題文を読み直して「何を求める問題だっけ?」と確認し、出揃った式を眺めてみると、必要な条件が全部揃っていることに気づきます。
それをきれいにまとめて答えにする。
数学が得意な人は、「いつの間にか解けている」という感じで問題を解くんです。
この文章からも分かる通り、数学が得意な人は「頭の中に例題パターンの引き出し」をたくさん持っているんです。
で、応用問題と出会ったときに、引き出しからいろんな例題パターンを取り出して、いろいろと当てはめて考えてみる。
問題文をていねいに読んで、とりあえずその場でできそうなことを試してみる。
ちょっと試してうまくいかなかったら、また他の例題パターンを試してみる。
「あれこれ思考する」というより、「あれこれ試行する」という状態。
これこそまさに『試行力』です。
数学の応用力をつけるには、この『試行力』が最大の鍵となります。
そしてこの『試行力』は、筋トレのように訓練することで、誰でも鍛えられる力なのです。
- 『思考力』より『試行力』
- 「例題パターンを引き出す」というイメージ
- 筋トレと同じで、試行力は誰でも鍛えられる
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数学の応用力をつける勉強に入る前に
思ってるよりも基礎ができてない人は多いぞ!
さて。
数学の応用力(=試行力)をつける勉強に移る前に、確認しなきゃならないポイントがあります。
- 網羅系参考書は完璧か
この質問に、「イエス」と即答できるでしょうか?
網羅系参考書というのは、チャート式のように「例題パターン」が大量に掲載されている参考書です。
ここでいう「完璧」とは、
- 網羅系参考書を手に取り、
- 適当なページを開き、
- 目に入った例題をノンストップで完答できる
を、何度やってもクリアできるレベルです。
「数学の基礎はできるけど、応用問題は全然…」という人の多くは、そもそもこのレベルにすら達していません。
網羅系参考書を1周やって、「数学の基礎は完成しました!」と言ってるようじゃ甘い。
大甘です。
応用問題を解くために必要なのは、「頭の中の引き出し」から、「例題パターン」を次から次に取り出すこと。
その例題パターンくらい、すぐさま取り出せないようでは、応用力なんていくらやってもつきません。
「まだ網羅系参考書は完璧とはいえない…」という場合は、以下の記事を参考にして、まずは「例題パターンの引き出しをつくること」からやり直しましょう。
数学の応用力(=試行力)をつける勉強法
試行力は筋トレのように鍛えるべし!
- 網羅系参考書は完璧か
の質問をクリアしたなら、さっそく応用力をつけるための勉強をしていきましょう。
大まかな手順は以下の通りです。
- 入試レベルの問題を使う
- どんなに分からなくても15分は試行する
- 15分経ったら解説を読み込む
- 解答の流れを確認する
- 時間を測って解き直す
入試レベルの問題を使う
応用力をつける勉強には、実際の入試問題が収録されている問題集を使いましょう。
オススメは『入試の核心シリーズ』です。
『理系数学 入試の核心 標準編』
『文系数学 入試の核心』
数学の応用問題集として、『プラチカシリーズ』も代表に挙げられますが、はじめての応用問題集としては『入試の核心シリーズ』が最強です。
詳細は以下の記事で解説しているので、気になる方は一読ください。
どんなに分からなくても15分は試行する
チャート式などの網羅系参考書だと、「例題パターンの習得」が主な目的だったため、「わからない問題はすぐに解答を見る」というのが基本原則でした。
ところが、入試の核心などの応用問題集では、「試行すること」が主な目的になります。
ですから応用問題集に取り組むときは、どんなにわからなくても最低15分間は粘りましょう。
- 問題文を読んで、なんでもいいから「できること」を次から次に試してみる。
- 15分間は手を動かし続けてみる。
- まったく見当はずれの解き方でも構いません。
この段階では「正解すること」よりも、「例題パターンを引き出すこと」そのものが何より重要です。
15分経ったら解説を読み込む
15分経って答えまでたどり着けなければ、解説を使いましょう。
頭をフル回転させながら試行しまくったことによって、解説の理解度・吸収率がバツグンによくなります。
ただ解説を読むのではなく、
- どんな例題パターンを使うのが正解だったのか
- どこに着目すれば、この例題パターンだと気づけたのか
といった点を意識しながら、解説を読み込んでください。
解答の流れを確認する
使ってる例題パターン、注意をはらうポイントが分かったら、解答の要点を絞って全体の流れを確認します。
必要であればノートを使って、解答の流れを簡単にまとめてみましょう。
解答の流れは、『入試の核心シリーズ』の「Process」が超わかりやすい。
▲入試の核心のProcess
これが『入試の核心』をオススメする大きな理由のひとつです。
解答の流れ(入試の核心でいうProcess)を見ながら、解答を再現できるかチェックしましょう。
解答再現は頭の中でやってもいいですし、必要な人は実際に書き出してみても構いません。
時間を測って解き直す
「解答の流れを見て、解答が再現」できるようになったら、実際に問題を解き直します。
解き直しのときにも、時間を測るようにしてください。
解答を見ているので、「完答するのにどれくらいの時間がかかるか」がなんとなく分かるはずです。
時間を測って解くことによって、「必要な例題パターンを、即座に引き出す練習」になります。
時間内に解答を再現できたら、次の問題へと移りましょう。
もちろん解き直した問題は、定期的に復習するように。
最後に
最後に今回の要点をまとめておきます!
- 『思考力』より『試行力』
- 「例題パターンを引き出す」というイメージ
- 筋トレと同じで、試行力は誰でも鍛えられる
- 網羅系参考書は完璧か
- 網羅系参考書を手に取り、
- 適当なページを開き、
- 目に入った例題をノンストップで完答できる
- 入試レベルの問題を使う
- どんなに分からなくても15分は試行する
- 15分経ったら解説を読み込む
- 解答の流れを確認する
- 時間を測って解き直す